少し前に、「【書評】化粧品成分表示のかんたん読み方手帳|久光一誠」という記事を書きました。その本に続けて読みたくなって購入した『化粧品成分検定 公式テキスト』(一般社団法人 化粧品成分検定協会 編/実業之日本社)を読み終わったので、感想など交えてご紹介したいと思います。
最初に結論から言うと、すごくおもしろかった! 読んでよかったです。
化粧品の成分について勉強したい人にはもちろんですが、単純に化粧品が好きな人にもとてもおすすめな良い本だと思います。
『化粧品成分検定 公式テキスト』ってどんな本?
『化粧品成分検定 公式テキスト』は、その名の通り化粧品成分検定を受験する人に向けて書かれた勉強用のテキスト……ではあるのですが、
「化粧品成分検定とか受けるつもりないから関係ないや」
と、スルーしちゃうのはもったいないです!
もうね、スキンケアに興味ある人にとっては、本当に「へぇ~!」な内容がいっぱい詰まってるから! わたしなんて、この本を読んでいる間ずっと、ちょっと読み進むたびに「そうなのね!」「なるほどー」「おもしろい!」ってつぶやきまくってました。
そのぐらい、おもしろくてわかりやすくて、なんていうか「すっとハラに落ちる」感じが得られる本なんです。
代表的な化粧品成分について詳しくわかる
この本では、化粧品の成分を大きく4種類に分類して、それぞれ代表的な成分を取り上げ解説しています。
- ベース成分:水性成分、油性成分、界面活性剤
- 機能性成分:美白成分、抗炎症成分、エイジングケア成分など
- 安定化成分:増粘成分、防腐成分、酸化防止成分など
- その他成分:色材、香料など
取り上げられている成分の数は、そこまで多くないです。
化粧品によく配合されている成分の中から、代表的なものをピックアップして掲載しているという印象で、「あれ? あの成分は載ってないのかー」って思うものもけっこうありました。
ただ、一つ一つの成分についての解説はがかなり詳しくてわかりやすいです。成分の名前と配合される目的だけではなくて、原材料の植物や化粧品原料としての見た目がわかる写真が載っているので、図鑑っぽくて楽しいです。

化学的な内容にも踏み込んだ解説がわかりやすい
化粧品成分検定協会の代表理事は、以前ご紹介した『化粧品成分表示のかんたん読み方手帳』の著者でもある久光一誠さんです。
そんなわけで、『かんたん読み方手帳』とかぶっている内容も多いんですが、やっぱりひとつひとつの成分についての解説が『化粧品成分検定 公式テキスト』ではより詳しく、深くなっています。逆に、取り上げられている成分の数は『かんたん読み方手帳』の方が多いです。
テキストということで、「化粧品についてもっと知りたい」「勉強したい」という人に向けて書かれた本だなという感じがします。ページのデザインもシンプルで教科書っぽさあるしね。
特にそう感じるのは、化粧品成分の作用についてだけ説明するのではなく、分子構造など化学的な知識にまで踏み込んだ解説が多いところです。
分子構造なんて言われると難しそうな印象を受けるかもしれませんが、そこは化学の知識なんてあまり持ち合わせていないであろう読者を想定して書かれているようで、とてもわかりやすくて理解しやすいです。
例えば、
「この成分は保湿力が高い」
と単純に説明されるよりも、
「この成分は水と似た構造を持っているから水と結びつきやすく、水が蒸発しにくくさせるから保湿力が高い」
みたいな感じで理由も含めて説明されるほうが、理解しやすいし覚えやすいですよね。
この本にはそういう「なるほど!」と感じる説明がたくさんあって、読んでいてめちゃめちゃおもしろかったです。「この解説を読んだら、もう一度〇ページの成分表を見てください」みたいなのもあって、楽しく勉強できました。巻末には学んだ内容を確認できるドリルのページもありますよ。
まとめ:化粧品を「読み解く力」が身に付く本です!
「化粧品成分検定」って初めて聞いたときは、なんだかマニアックな印象の検定試験だなぁと感じました。でも、化粧品全般について広く学び始めてみたら、一番興味深くて、学んだことが役に立ちそうだなと手ごたえを感じたのが成分についての知識だったんですよね。
この本は今のわたしにとって、まさに知りたかった知識や理解を深めることができる、本当に有用な一冊でした。
そうそう、テキストを一通り読み終えたので、化粧品成分検定3級をさっそく受験してみました。
結果は……

満点で3級合格できました!
3級はWebで無料で受験できるので、興味ある方はチャレンジしてみてください。特に登録とか必要ないし、全10問なのでクイズ感覚で気軽にできますよ。
せっかくテキスト読んだことだし、化粧品成分の勉強おもしろいな! とすごく感じたので、化粧品成分検定1級も受験してみたいなと思っています。まずはこのテキストを、もっともっとじっくりと読みこみたいですね。
検定受験を考えていなくても、化粧品が好きな方ならとても興味深く読める本だと思います。「化粧品の成分を、自分である程度読み解けるようになりたい」という方はぜひ読んでみてくださいね。
