美肌の知識

美肌を作るホルモンの種類まとめ 内側からすこやか肌を目指そう

両手を広げて立つ女の子の後ろ姿

美肌を作るというと、スキンケア化粧品やサプリメントで美容にいい成分を取り入れるという発想になりがち。でも、すこやかで美しい肌になるには、体内のバランスがしっかり整っていることが大前提です。

そこで注目したいのが、わたしたちの身体の中にあって、さまざまな機能を調節してくれている「ホルモン」です。

今回は、美肌を作るホルモンにはどんな種類があるのかと、それぞれのホルモンの働きについてまとめます。

そもそもホルモンって? 美肌に関係があるの?

ホルモンは、わたしたちの身体の中で分泌され、身体機能を調節する働きのある物質です。体内にあるホルモンの種類は100種類以上が確認されていて、まだまだ確認されていないホルモンもあると考えられています。

ホルモンはごくわずかな量で大きな作用をもたらす物質です。体内に適切な量より不足したり、逆に過剰になったりすると、身体の働きに問題が生じてしまいます。

さまざまなホルモンがある中には、肌に働きかける作用があるものも存在します。

マリー
マリー
肌に良い影響をもたらすホルモンが不足すると、肌トラブルが起きちゃうこともあるんだよ

美肌を作る5つのホルモン

コーヒーの紙カップを両手に持つ女の子
美肌を作ると言われているホルモンとして、主に以下の5種類が挙げられます。

美肌を作る5つのホルモン
  1. エストロゲン
  2. 成長ホルモン
  3. セロトニン
  4. オキシトシン
  5. アドレナリン

女性らしい美肌・美髪をつくる「エストロゲン」

女性の卵巣から分泌される女性ホルモンには、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2種類があって、分泌量のバランスが約28日のサイクルで変化を繰り返しています。

2種類の女性ホルモンのうち、エストロゲンは女性らしい身体を作るホルモンです。肌や髪のハリやうるおいを保つ作用があるため、「美肌ホルモン」と呼ばれています

マリー
マリー
エストロゲンは生理後から排卵までの間に特に分泌が高まるホルモン。生理前にニキビや肌荒れなどが起きやすいのは、エストロゲンの分泌量が少なくなる時期だからなんだよ

エストロゲンは30歳頃をピークに分泌が減少しはじめ、更年期と呼ばれる45歳から55歳頃になると急激に減少します。

また、20~30代の若い女性であっても、ストレスや過度のダイエット、自律神経の乱れなどが原因でエストロゲンの分泌が低下してしまうケースが見られるようです。

エストロゲンの正常な分泌を保つためには、ストレスを溜めこまないことや、規則正しい生活リズムを心がけること、日々の生活で「ときめき」を感じることが大切だと言われています。

また、エストロゲンと近い化学構造を持ち、体内で似た働きをする「大豆イソフラボン」が含まれる食品(豆腐など大豆製品)を摂ることで、エストロゲンの働きをサポートできます。

肌のターンオーバーを支える「成長ホルモン」

わたしたちの体内で、成長や代謝をコントロールするのが、脳下垂体から分泌される「成長ホルモン」です。

成長ホルモンという名前を聞くと、成長期だけに関わるホルモンのような印象を受けますが、成長ホルモンは大人になってからも分泌されて、新陳代謝を促すなど重要な役割を担っています。

肌の新陳代謝であるターンオーバーも、成長ホルモンによって促されます。成長ホルモンの分泌が低下すれば肌のターンオーバーが滞ってしまいます。

マリー
マリー
ターンオーバーが遅れると、肌の乾燥やゴワツキにつながるよ

肌のターンオーバーを正常に保つという意味で、成長ホルモンもまた美肌ホルモンの一つであると言えます

睡眠不足は肌の大敵! 化粧ノリの良いなめらか美肌を保つ眠り方」という記事に詳しく書きましたが、成長ホルモンの分泌量が最も多くなるのは、入眠からおよそ90分間のノンレム睡眠のときだということがわかっています。

逆に言えば、寝つきが悪くてなかなか入眠できなかったり、深い眠りを得られなかったりすると、成長ホルモンの分泌量が減ってしまうということ。質の良い睡眠をとるようにすることが、成長ホルモンを不足させないために大切なんです。

また、筋トレを行うと成長ホルモンが分泌されるということがわかっています。ダイエットや運動不足解消を兼ねて、筋トレの習慣を取り入れるのもおすすめです。

肌ストレスをはねのける「セロトニン」


「セロトニン」は脳内で神経伝達物質として働くホルモンです。自律神経のバランスを整え、感情をコントロールして気持ちを安定させる働きがあるため、「幸せホルモン」と呼ばれています。

セロトニンが不足すると、精神的なストレスに対して弱くなってしまいます。過剰なストレスは、免疫力の低下など身体にも悪影響を及ぼします。

肌(皮膚)もまた免疫器官なので、ストレスを多く感じる生活を続けていると、ストレスホルモンの影響を受けてバリア機能が低下してしまいます。

バリア機能が低下すれば、肌の内側の水分が蒸発しやすくなり、肌のうるおいが失われてしまいます。また、外部刺激への抵抗力が低くなるためニキビや肌荒れなども起こりやすくなってしまうのです。

ストレスに強くしてくれるという意味で、セロトニンもまた美肌をつくるホルモンの一つと言っていいでしょう。

セロトニンを不足させないためには、セロトニンの原料となるアミノ酸の一種「トリプトファン」を食事からしっかり摂るのが大切です。トリプトファンは、バナナや卵、肉や魚などに多く含まれています。

また、日光を浴びることや、一定のリズムを繰り返す運動(踏み台昇降やウォーキング、スクワットなど)は、セロトニン分泌を高めることに役立つとされています。

肌の幹細胞を元気にする「オキシトシン」

脳下垂体から分泌される「オキシトシン」も、セロトニンと同じく「幸せホルモン」と呼ばれるホルモンです。スキンシップやハグで分泌が高まることから「愛情ホルモン」「抱擁ホルモン」などと呼ばれることもあります。

オキシトシンは、他人への信頼感を高め、気持ちを安定させる働きがあります。ストレスを緩和してくれるので、セロトニン同様、ストレスによる肌荒れなどから肌を守ってくれるホルモンの一つです。

さらに、オキシトシンには肌を元気にさせる働きがあるという研究結果もあります。「美肌を作る香りがあるって本当? においが肌にもたらすもの」という記事に詳しく書きましたが、メナード化粧品の研究によれば、脳で分泌されたオキシトシンの働きかけにより、真皮細胞と表皮細胞で成長因子(IGF-1)が分泌され、肌の幹細胞の働きが活発になるそうです。

オキシトシンは、手をつなぐ、頭をなでる、ハグするなどといったスキンシップによって分泌が高まることがわかっています。家族や恋人に限らず、友人などとのスキンシップによっても分泌されるそうです。

マリー
マリー
ペットやぬいぐるみをなでたり抱っこしたりするときにも分泌されるんだって!

人間関係が良好なときに分泌されるので、スキンシップに限らず、家族団らんや、恋人や友人と食事を楽しむなど、誰かと一緒に楽しい時間を過ごすことも、オキシトシン分泌を増やすことにつながるようです。

美肌を作るエッセンス「アドレナリン」

「アドレナリン」は副腎から分泌される神経伝達物質の一つで、交感神経の働きを高める作用があるホルモンです。

運動しているときや、身の危険を感じたときなどに分泌され、大きな力を発揮させるホルモンとして知られています。

心を安定させてくれるセロトニンやオキシトシンとは逆に、アドレナリンは心身を興奮させるホルモンです。肌に良い影響をもたらすと言われてもピンと来ないかもしれませんが、美容家の佐伯チズさんは、「アドレナリンは無料で手に入れられる天然の美容液」ということをよくおっしゃっています。

アドレナリンが分泌されると、全身の血流が促されたり、呼吸の効率が高まったりという働きがあります。身の危険を感じたときに、全力で逃げたり戦ったりできるように身体能力を高めているのです。

過度のストレスはもちろん肌にとってマイナスですが、適度なストレスによってアドレナリンが分泌されることは、肌をいきいきと元気な状態にするエッセンスになります。

恋愛しているとき、好きな相手に対してときめく気持ちやドキドキを感じるのは、アドレナリンの働きです。こうした刺激は、肌をつややかでハリのある状態に導いてくれるものです。

恋愛以外にも、ライブパフォーマンスや遊園地のアトラクション、映画や音楽などで、ドキドキワクワクする刺激を受けるようにすることは、ほどよいストレスとなって美肌を保つことに役立ってくれるはずです。

美肌を作るのは正しいホルモンバランス

美容系のキュレーションサイトやまとめなどで、「美肌ホルモンを増やそう!」「ドバドバ分泌させる方法」みたいなタイトルの記事を見かけることがあります。でも、さっきも書いたとおり、ホルモンの量は不足しても多すぎてもダメなんです。

美肌ホルモンと呼ばれることの多いエストロゲンなどは特に、多すぎれば婦人科系疾患の原因になることもあります。

大切なのは、体内で必要な量のホルモンが多すぎず少なすぎず存在していることです。

例えば、「ストレスや不安などを感じやすいな」というときには、セロトニンやオキシトシンが不足しているかもしれません。そんなときには、セロトニンやオキシトシンの分泌量を高める方法を試してみると良いかもしれません。

すこやかな美肌を保つために、内側のホルモンバランスを良好に保つことも意識してみてくださいね。

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