数年前にごくシンプルなスキンケアを心がけるようになって以来、顔やボディの乾燥に悩むことはほとんどなくなったのですが、それでも乾燥しがちな部分というのはやっぱりあります。
わたしの場合、乾燥しやすいパーツの代表格が「唇」です。
唇は粘膜で、皮脂腺も汗腺もないので、ほかの部分の肌と違って皮脂膜による保護がありません。ほかの部分と比べて角質層が薄いため、バリア機能も低いです。シンプルケアが好きだとは言っても、何もしなければどんどん乾燥しちゃうのが唇なんです。
表面的にはカサつきなどは感じなくても、唇の水分量が全体的に少なくなると目立ちだすのが「縦ジワ」の存在です。
実は去年わたし、唇に縦ジワが増えたことに気づいて、すごくショックだったんですよね。
って。
それでいろいろ調べてるうちに、たどりついたのがヴァセリンだったんです。
今回は、唇の縦ジワがヴァセリンリップで目立たなくなった経験と、ヴァセリン(ワセリン)の保湿効果について書いてみたいと思います。
唇の縦ジワが急に気になっちゃったときのこと
リップケアは長年、定番リップクリーム一筋だった
さっきも書いたとおり、唇はほかの部分の肌と比べても特に乾燥したり荒れたりしやすいパーツです。
わたしも若い頃から、唇がカサついたり荒れたりすることが多かったので、いろいろなリップケア製品を試しました。
でもやっぱり、あんまり肌に合わないものが多くて、塗った直後はうるおった気がしても、すぐに乾燥してまた塗りなおすことになったり、さらに唇が荒れてしまったりすることが多かったんです。
それでたどり着いた結論は、
ということでした。なのでリップケアアイテムに関しては、香りや使用感の良さ、かわいらしいパッケージなどといった女子ゴコロをくすぐる部分はいっさい度外視して、超シンプルでド定番のリップクリームだけを使い続けてきたんですよ。もう15年、下手すれば20年近くそんな感じが基本でした。
ある日突然気づいちゃった唇の縦ジワ問題
シンプルなリップクリームを使っている限りは、そこまで唇が荒れることはありません。たまに乾燥が気になることがあっても、リップクリームを塗っておけば自然と落ち着いてくるので、あまり唇のケアを見直すこともありませんでした。
ところが、冒頭にも書いたとおり、去年ふと鏡に映る自分の唇を見て、
ってショックを受けたんですよね。
唇の表面は別に荒れているわけではないし、そこまで乾燥しているようには感じていなかったけど、縦ジワくっきりじゃん! これって唇の老化? エイジングサインなの!?
そのときのわたし、めっちゃ動揺して唇の縦ジワの原因について調べました。
要因としてやっぱり「加齢」というのはありそう。コラーゲンやヒアルロン酸の量は年々少なくなっていくわけで、そりゃあ唇もだんだんしぼむよね。ツライ……。
それから、紫外線。そうだよなぁ。顔には日焼け止めを塗るけど、リップクリームにはUVカット剤とか入ってると荒れる気がして、唇に関しては紫外線対策ってほとんどしてきてなかったもんなぁ……。
しょんぼりしながら、唇の縦ジワ対策を調べてみると、有効そうなのはだいたい以下の2点でした。
- リッププランパー
- ヒアルロン酸注入
リッププランパーっていうのは、唇をふっくら、ぽってりとさせる効果のある唇用美容液や唇用メイクアップ化粧品のことを言います。
唇をふっくらさせる有効成分として配合されているのは、主に「カプサイシン」です。唐辛子のあれね……ってそれ、唇ふっくらっていうか腫れてるじゃん! だいじょうぶかよ! って思うじゃないですか。肌弱い族としましては。実際はそんなに刺激は感じないようですが、やっぱちょっと抵抗あります。
ヒアルロン酸注入は、唇にヒアルロン酸を注入することでふっくらさせる、まあプチ整形的なものですね。そりゃあ効果は絶大だろうなとは思いますが、お金かかるし、めっちゃ痛そうだし! 今後ずっと続けていくものだと考えると、まだそこに頼るのは早い! という気持ちがあります。
うーん、どうしたものかなぁ……と、悩んでしまったわけです。
何気なく試したヴァセリンリップが効果絶大だった!
そんな感じで迎えた去年の秋冬シーズン。
ドラッグストアで、「なんかよさげなプチプラアイテムないかなー」と物色していたとき、リップクリームのコーナーに、ミニサイズのヴァセリンに目が留まりました。
って印象でした。
そのときは買わなかったんですけど、ちょっと気になったので、帰宅後に「評判どうなのかなー」と口コミをチェックしてみたんです。
そしたら、なかなかの高評価。
しかもその中に、
「縦ジワが消える」
「縦ジワが目立たなくなった」
というコメントがチラホラありました。
なん……だと!?
そのときのわたしは、自分の唇の縦ジワは加齢のせいだと思い込んでいたので、正直なところ、ヴァセリンを塗ったぐらいで縦ジワが目立たなくなるというのは、そこまで期待していませんでした。
でもプチプラだしとにかくパッケージのミニチュア感がかわいかったので、
という気持ちになって、改めて翌日だったかに買いにいきました。
最初に買ってみたのは、無香の一番ノーマルなタイプです。
昔いろいろなリップケアを試していたとき、ジャータイプのリップバームもいくつか使ってみたことがありました。そのときは、なんかベタベタするだけでちっともうるおわない、むしろ荒れやすい、という印象が強かったんですよね。指で塗るのって衛生的にどうなのかな? という気持ちもあって、基本的に固形のリップクリームばかり使うようになったというのはさっきも書いたとおりです。
そんな印象があったので、最初は、「どうかなぁ」と思っていたんですけど、ヴァセリンリップ、使ってみたらこれがめちゃめちゃ良かったんですよね。
シンプルな成分構成で優しい使い心地と安心感
まず感じたのは、使い心地のやさしさ。余計なものが入ってないから、刺激とかほとんどなくて安心感があります。
成分を見てみると、
ワセリン、トコフェロール、BHT、黄4
これだけ! 超シンプル。
トコフェロール(ビタミンE)とBHTは酸化防止剤、黄4は着色剤ですね。
ちなみにわたしがこれまで気に入って使ってきたメンソレータムのリップと、サベックスのリップの成分は以下のような感じです。
ワセリン、ラノリン、マイクロクリスタリンワックス、ジメチルPABAオクチル、カンフル、メントール、サリチル酸、フェノール
L-メントール、dL-カンフル その他の成分
白色ワセリン、精製ラノリン、流動パラフィン、セレシン、香料
ちなみにメンソレータムの方は医薬部外品なので全成分表示じゃなかったです。
とにかくうるおいが続いて、縦ジワが目立たなくなった!
ヴァセリンのリップを使い始めて感じたことは、「しっとり感やうるおい感がすごく長く続く!」ということでした。
夜、寝る前に塗っておけば、朝起きたときにもしっかりとうるおいが続いているし、朝、出かける前に塗っておけば、日中に乾燥を感じることがほとんどありません。まあ、体調や環境によっては乾燥を感じるときもあるのですが、使い始める前と比べて圧倒的に唇のカサカサ感を感じることが少なくなりました。
そして、使い続けてしばらく経った頃、鏡を見て、
と気づいたんです!
メンソレータムやサベックスのリップクリームでのケアでもそこまで乾燥は感じていなかったのですが、表面的なかさつきはなくても唇のうるおいがかなり低下していたんだろうなと今にして思います。
ヴァセリン(ワセリン)が唇や肌の乾燥対策に役立つ理由
ヴァセリンリップの保湿力の高さについて、ヴァセリンの公式サイトには
唇の表面をヴァセリン リップがコーティングし、
肌の内側の水分を逃さない。だから、うるおいがずっと続く!
と書かれています。
ヴァセリンリップ(ワセリン)が唇の表面に膜を作ってくれるので、唇の内側の水分が蒸発しにくくなるということのようです。
ワセリンは、唇に限らず手荒れやボディの乾燥肌にも効果的だとよく言われます。そもそもワセリンってどんな成分なのでしょうか?
ヴァセリンとワセリンの違いは?
ヴァセリンの誕生は1859年。若い化学者が石油採掘機に付着するワックスを精製して生み出した軟膏でした。
この「ヴァセリン(Vaseline)」というのはユニリーバの登録商標で、一般名詞としては「ペトロリュームゼリー(Petroleum jelly):石油ゼリー」という言葉があります。でも実際のところ、世界中で「ヴァセリン」がこの成分のことを指す言葉として定着しているんですって。
「ヴァセリン」を日本語に訳した表記が「ワセリン」なのですが、日本ユニリーバが日本で商標登録するより以前から、日本薬局方で「白色ワセリン」が一般名称として登録されていたことから、日本では「ワセリン」といえば白色(または黄色)ワセリン、「ヴァセリン」といえばユニリーバの商品名という感じで認識されるようになったようです。
ワセリンは肌の表面に膜を作る
さっきも書きましたが、もともとヴァセリンは石油採掘機に付着するワックスから生み出されたものでした。
当時、石油採掘場で働く労働者たちの間で、採掘機に付着するワックスを切り傷などに塗ると治りが早くなるということが広まり使用されていたことが、ヴァセリン誕生のきっかけだったそうです。
ワセリンは石油から生成される炭化水素です。炭化水素っていうのは炭素(C)と水素(H)だけでできている油性成分なので、水(H2O)となじみにくい性質があります。だから水分の蒸発を防ぐ効果が高いんですね。
肌にワセリンを塗るとパラフィンの膜が作られ、角質層の乾燥を防いでくれます。また、表面に膜ができることで、肌を外的刺激から保護する働きもあります。
だからこそ、ワセリンは肌や唇のうるおいを保ち、肌荒れやカサつきなどを防ぐ効果があるんですね。
ヴァセリンリップと普通のヴァセリンは同じもの?
実はわたし、数年前に背中の肌の乾燥に悩んだときにも、ヴァセリン(ワセリン)がおすすめされているのをよく見かけてはいたんですよ。
でも、ヴァセリンってなんとなくベタベタするイメージがあって、その当時いろんな保湿剤を試して効果がなかったこともあり、ヴァセリンは試していなかったんですよね。
唇で保湿効果を実感してからは、目元や口元の乾燥が気になるときにも塗ってみるようになりました。
そうなってくると、
と気になりますよね。
それで調べてみました。
ワセリン、酢酸トコフェロール、BHT
うむ。ほぼ同じ。
リップのほうは「酢酸トコフェロール」ではなくて「トコフェロール」となっていることと、着色剤が入っているところが違いかな。
酢酸トコフェロールとトコフェロールは別物だと思うけど、どうして違うものを使っているのかはちょっとわからなかったです。ただやっぱり、まったく同じものを容量だけ変えて別商品としているというわけではなさそうかなと思いました。
今度はピュアスキンジェリーも買ってみようかなと思います。
まとめ:唇の縦ジワが気になっている人は試してみて!
最初は唇の縦ジワが気になっていたことで使い始めたヴァセリンリップですが、今やわたしにとって欠かせない新たなリップケアの定番アイテムになりました。
無香のものが一番好きですが、ピンクのもちょっとしたお出かけのときとかに愛用しています。クレームブリュレの香り付きは……、買ってみたけどわたしはあまり好きな香りじゃなくて結局ほとんど使っていません。
もし「唇はそんなに乾燥していないと思うけど縦ジワが気になるなー」という方がいらしたら、ヴァセリンリップを一度試してみてください。きっと使っているうちに縦ジワが目立たなくなるはずですよ。
