みなさん、「自分の肌は弱い」と思いますか?
わたしは自分の肌について説明するとき、「弱い」と言うべきかどうかすごく迷うんですよね。
という気持ちと、
という気持ちがせめぎあってモヤモヤ。そしていつも、
そもそも「肌が弱い」って何なの? 何をもって「肌が弱い」って言うの?
と思います。
みなさんは、「肌が弱い」って、どういうことだと思いますか?
「生まれつき肌が弱い人」は、もちろんいる
「肌が弱い」というと、なんとなく生まれつきの肌の性質のことのような印象があります。わたし自身、生まれつきの肌質は弱いほうだと思います。
「わたしが「手荒れしない人」になった方法について」という記事にも書きましたが、わたしは子どもの頃から「自分はほかの人より肌が弱いんだな」となんとなく思っていました。
母親に言わせると、わたしは赤ちゃんの頃から何かと肌トラブルが多かったようです。
あと思い返してみると、わたしの父も色白で肌が弱くて、剃刀負けしたり湿疹が出たりといった肌トラブルをしょっちゅう起こしていた記憶があります。
自分の肌の弱さの要因を考えてみると、
- 色白(メラニン生成量が少ない)
- 肌が薄い(刺激に反応しやすい)
あたりが挙げられるかなと思ってます。
わたしはかなり色白です。日焼けすると真っ赤になって、黒くならないタイプです。これはメラニンを作れる量が少ないということ。メラニンっていうのは、紫外線などの外的刺激から肌を防御するために作られるもの。メラニンを作れる量が少ない肌は、たくさん作れる肌と比べて「弱い」と言えるでしょう。
あと肌の薄さ。自分で、「薄いんだろうなー」と思います。お蕎麦屋さんとかでアツアツの湯飲みでお茶が出てくると手で持てません。一緒にいる人が同じ湯飲みを普通に手で持って飲んでいるのを見て、「なんでこんなん持てるの?」と不思議に思った経験が何度もあります。
身長や手足の長さ、髪の毛の太さなんかが人によってそれぞれ違うように、肌の厚みにだって個人差があるのは当然です。表皮って0.2ミリぐらいなので、ほんの少しの差でも刺激の感じ方に大きく差が出るんじゃないかなと思ってます。
わたしは尋常性乾癬という病気ですが、この病気だと初めて告げられたとき、「白人には100人に1人いる病気です」と言われたのをおぼえています。身近に同じ病気の人はあまり知らないのですが、これまでに「わたしも同じ病気なんですよ」と言ってくれた人はみんな、色白で肌がやわらかそうな人でした。
メラニンを作れる量とか、肌の厚みとかは、持って生まれた肌の性質です。そうした生まれつきの肌質の影響で、ほかの人より刺激に対して弱かったり、トラブルを起こしやすかったりということはあるものです。
遺伝的な要因で肌が弱い人、つまり「生まれつき肌が弱い人」は、やっぱりいると言えるでしょう。
生まれつき弱い肌を強くすることはできる?
じゃあ、肌が弱く生まれついた人は、肌を強くすることはできないのでしょうか。
これは「肌を強くする」というのがどういう意味なのかによって変わってくるかなと思います。
例えば、「刺激に対して強くなる」という力は、肌にある程度備わっています。
わたしは音楽が好きで、10代の頃アコースティックギターを毎日弾いていました。弦楽器を演奏する人はご存知かと思いますが、指で弦を押さえることを何度も繰り返していると、弦が当たる部分の皮膚がすごく厚く硬くなるんですよね。
肌は刺激を受けると、角質を厚く硬くして防御するように働きます。これは角質肥厚と言って、合わないサイズの靴を履いてタコやウオノメができたりするのも同じ働きです。
これだって、ある意味で「肌が強くなっている」と言えます。
でも、肌が弱いと感じている人が求める「肌を強くしたい」というのは、そういう意味じゃないですよね。
「肌が弱くて、些細なことで何かと肌トラブルが起こるのをなんとかしたい」というのが、肌の弱い人が求める「強さ」ではないでしょうか。
メラニンを作れる量の少なさや肌の薄さなど、持って生まれた肌の弱さは、残念ながら変えることができません。でもこういった性質は、弱さでもあるけど、自分の肌の個性であり美しさでもあると思います。
生まれつき肌が弱いと感じている人は、肌を強くしようと思うのではなくて、自分の肌の弱さを受け入れて少しでも刺激から守ってあげることを考えるのが大切です。そういう習慣を身に着けていくことで、肌トラブルを回避できるようになっていくはずです。
生まれつきではない「肌が弱い」もある
ここまで「生まれつき肌が弱い人」について考えてきましたが、肌の弱さというのは持って生まれた肌質ですべて決まるのかというと、そうではないと思います。
「以前は特に肌が弱いと思わなかったのに、いつからか肌が弱くなった気がする」
「普段は普通だけど、季節や体調によって、肌が敏感に傾く」
などという方も多いのではないでしょうか?
このような場合は、何らかの要因で肌が本来よりも「弱っている」と考えられます。
「ヒートテックをやめたら背中のヤバイ乾燥肌が嘘みたいに治った話」に書きましたが、わたしは数年前、それまで経験したこともないようなひどい乾燥肌に悩まされたことがあります。
今から思い返すと、当時は肌の乾燥がバリア機能を低下させ、それによってさらに乾燥が進み敏感になるという悪循環に陥っていたんだと思います。これに関しては、もちろん持って生まれた肌質も要因の一つではあったかもしれませんが、当時の生活習慣など後天的な要因のほうが大きかったと思ってます。
「肌が弱っている状態」は改善することができる
持って生まれた肌質の弱さは変えることができませんが、後天的な要因による肌の弱さは改善することができるはずです。
敏感肌は、ターンオーバーの異常(速すぎ)によって、未熟なケラチノサイトが角質層を形成するようになることで起こると言われています。ケラチノサイトが十分に育っていないため、角質層がもろくなり、肌本来のバリア機能が働かなくなってしまうのです。
ターンオーバーの異常は乾癬など病気が原因のケースもありますが、適切ではないスキンケア(洗顔やピーリングのしすぎなど)が原因で起こるケースも多いようです。
自分の習慣などが原因で肌が弱くなっているのだとしたら、その原因を減らすことで肌の状態を整えていくこと、つまり肌を強くすることができるはずです。
まとめ:自分の「肌の弱さ」の要因を見極めよう!
肌の弱さにも、「持って生まれた体質による弱さ」と、「習慣などの影響による後天的な弱さ」があるというのがわたしの考えです。
とは言え、わたしのように両方の要因が重なることもあります。むしろ肌が生まれつき弱い人は、後天的な要因でさらに弱くなるということも多いでしょう。
「肌が弱いのをなんとかしたい」と感じている人は、まずは自分の肌の弱さとはどういう弱さなのかを考えてみてください。
いつから肌が弱いと感じているのでしょうか。子どものころから? それとも大人になってから?
自分の肌のどんなところが弱いと感じるのか、どうしてそういう状態になっているのか。原因を自分なりに考えて、対処していくことが大切だと思います。
自分の肌は、持って生まれた、世界に一つの自分だけの特徴を持った肌です。
しっかりと向き合って、上手につきあっていきましょう。
