美肌クエスト案内人のマリーです。みなさん、お風呂に入る時間はどのぐらいかけてますか?
わたしは以前、とある美容のカリスマ的な方の本に、
「どんなに疲れていても絶対にお風呂に入る」
「1回のお風呂は2時間ぐらい入る」
というようなことを書いているのを読んで、
と信じて、けっこう長いことその入浴法を真似してました。
でもお肌について学んでいくうちに、
と思うようになったんです。
長時間の入浴は、少なくともお肌にとっては、あまり優しい入浴法だと言えません。
美肌を育てるためのお風呂の入り方について考えていきましょう。
「ぬるめのお湯に、時間をかけて」が大事な理由
「忙しくてもシャワーで済ませず、きちんと湯船に浸かるべし!」
美容系のアドバイスで、とてもよく言われることですね。
短時間のシャワーでは、身体の汚れを洗い流すことはできても、身体をしっかりと温めることができません。今はエアコンの影響もあって、夏でも身体が冷えている人が多いですよね。身体が冷えているというのは、血流が悪くなっている状態です。
血液というのは、全身に酸素や栄養を届け、老廃物を回収する役割を持っているものです。つまり血流が悪くなれば、身体のすみずみまで酸素や栄養素が行き渡らず、老廃物を回収できなくなってしまうのです。
お肌の奥の真皮の部分には、血管やリンパ管が通っています。お肌も健やかなターンオーバーを保つために必要な栄養素を、血液から受け取っているんですね。
でも、血流が滞ると、十分な栄養素が届かなくなってしまいます。
結果、ターンオーバーのサイクルが乱れて肌のくすみやごわつきなどが起きてしまったり、さらにはシミや黒ずみの原因になってしまったりするわけです。
熱いお湯だとのぼせてしまうので、あまり長時間浸かることができません。
そうすると、お風呂でポカポカになっていても実は身体の表面だけで、中心部はあまり温まっていないということが起こりやすいんです。
これでは、お風呂の温熱効果が十分に得られません。
だから、芯までしっかりと温まるために「温度はぬるめに設定して、ゆっくりと時間をかけて入浴するのが大切だ」と言われるわけです。
長時間の入浴には、肌を乾燥させるリスクが……!
ここまでの話だと、
「お肌のためにも、じっくりと時間をかけてお風呂に入るのがいいのね」
と思いますよね。
わたしも以前はそう思っていました。
たしかに長時間の入浴には、美容に良いこともいっぱいあるんです。たくさん汗をかけるし、代謝も高まるし、血流が良くなれば顔色も明るくなるしね。
でも、大問題が一つあるんですよ。
長時間の入浴は、肌の乾燥の大きな原因になってしまうんです。
お肌には、自らうるおいを保つ機能があります。
天然保湿因子(NMF)
角質層のケラチナサイト(角質細胞)の中にある、アミノ酸などの保湿成分。水分を含んで保持する働きがあります。
細胞間脂質
角質層で角質細胞の隙間を埋めている、セラミドやコレステロールなどの脂質。肌の中の水分が流れ出さないようにする働きがあります。
皮脂膜
皮脂と汗が混ざって肌の表面に作られる薄い皮膜です。肌の水分が蒸発することを防ぎます。
普段、この3つの要素によって、肌はうるおいを保っています。
お風呂に浸かると、まずは肌表面に形成されていた皮脂膜が洗い流されてしまいます。
皮脂膜は「天然のクリーム」とも言われ、うるおいを肌にとじこめるフタのようなものです。皮脂膜というフタがなくなった状態でお風呂に浸かっていると、温まってやわらかくなった角質層から、細胞間脂質や天然保湿因子が流れ出てしまうのです。
時間は短めに、入浴剤は保湿成分入りを!
血流促進のためにはゆっくりと時間をかけて入浴したいけど、肌の乾燥を防ぐためにはあまり長時間の入浴はよろしくない。ここに美肌を育てるお風呂の入り方のジレンマがあるわけです。
肌にとってうるおいは超大事!
肌の乾燥はターンオーバーの遅れなど、さまざまな肌トラブルの原因になります。バリア機能が低下して敏感肌の原因になってしまうこともあります。
お風呂に浸かる時間は、10分程度を目安にするのが良いでしょう。
そしてもう一つ大事なことは、入浴剤の選び方です。
入浴剤には、発汗を促す成分を重視したものと、肌にうるおいを与える成分を重視したものがあります。
たまには発汗作用系の入浴剤も気持ちいいですが、美肌を育てるという観点では保湿成分が含まれる入浴剤を選ぶのがおすすめです。
肌に良いお風呂での過ごし方は?
マリーは以前、お風呂に長時間入る派だったので、お湯に浸かっている間、いろんなことをしていました。本や雑誌を持ち込んで読んだり、ペットボトルを持ち込んで水分補給したり。たまに爪磨きとかしてたこともあったかも。
でも10分ぐらいだと思うと、そこまでのんびりという感じではないですよね。
スマホでSNSでもチェックしてたら10分経っちゃう気もします。
あんまり美意識高い感じではないな……。
ちなみに、ちょうど時間が合うからといって、シートマスクをお風呂で使用するのはNG! 美容成分が効果的に浸透しないうえに、逆に肌の水分を奪ってしまう原因になりかねません。シートマスクを使用するなら、お風呂上りの温まった肌に使ってくださいね。
ごしごし洗いはダメ! ボディーソープは使う?
入浴は、身体を温めるためだけにすることではありません。一日の汚れをきれいに洗い流して肌を清潔に保つことも、お風呂に入る大きな目的です。
ここで注意すべきことは、決して肌をごしごし洗わないということです。
先ほどお伝えしたとおり、湯船に浸かった肌は、角質層から天然保湿因子や細胞間脂質が流れ出してバリア機能が低下している状態です。
ナイロンタオルやボディブラシなどでこすり洗いすると、摩擦が刺激となって肌に大きなダメージを与えてしまいます。乾燥が進行するばかりか、肌に傷がついたり、メラニンが作られて黒ずみが起きたりといったトラブルの原因にもなりかねません。
ちなみにマリーは、数年前、乾燥肌がひどかったときにボディソープで洗うことをやめて以来、お風呂でボディソープや石けんはほぼ使っていません(日焼け止め落とすときとかは使う!)。肌の状態はしっとりとやわらかく、ほんとうに良くなりましたよ。乾燥肌でお悩みの方は、試してみてはいかがでしょうか。
湯上りのボディケアもしっかりと!
さてさて、10分のバスタイムを終えたら、湯上りのケアも重要です。
お風呂上りって忙しいですよね。何はともあれ顔の保湿ケアはしたいし、髪も乾かしてしまいたいし。
そんな感じで、ボディケアを後回しにしていませんか?
でもそれは危険です!
繰り返しになりますが、お風呂では肌本来の保湿成分がたくさん流れ出てしまった状態です。保湿成分たっぷりな入浴剤を使っていたとしても、皮脂膜も洗い流してしまった状態なので、放っておけばどんどん乾燥してしまいます。
入浴後10分ほどで、肌は入浴前よりも乾燥した過乾燥の状態になってしまうことがわかっています。
お風呂上りはなるべく早く、ボディの保湿ケアもしっかりと行ってくださいね。
まとめ:美肌を作る入浴のポイントを押さえよう!
毎日のバスタイムは、一日の疲れを癒して身体を清潔に保つのはもちろん、リラックスのためにも大切な時間です。でも、入浴方法によっては、肌を乾燥させる原因にもなります。
今回ご紹介した美肌入浴のポイントをまとめておくので、ぜひ頭に入れて肌にいい入浴を意識してみてくださいね。
- お風呂に浸かるメリットは血流改善による美肌効果
- デメリットは保湿成分流失で肌を乾燥させる原因になること
- お風呂に浸かる時間は10分を目安にしよう
- 入浴剤は保湿成分配合のものを選ぼう
- ゴシゴシ洗いはNG! てのひらで優しく洗おう
- 入浴後の保湿ケアは10分以内に
