こんにちは、美肌クエスト案内人のマリーです。
わたしは最近、化粧品成分について勉強しているところなのですが、化粧品成分の中でも特におもしろくてややこしいのが「界面活性剤」についてです。
ちゃんと勉強するまでは、界面活性剤って「なんとなく肌に良くないもの」というイメージでした。
でも界面活性剤にもいろいろな種類や働きがあるし、そもそも化粧品にとってなくてはならないものだということを理解しました。
しかし界面活性剤は種類がいろいろあってとにかくややこしいです!
さらっと読んで、そのときは理解できたとしても、どれが何だったか混乱しちゃう。
そんな自分の頭の中を整理するために、今回は界面活性剤の見分け方や覚え方についてまとめていきたいと思います。
今日と明日の自分のために、そして、わたしと同じように今まさに化粧品成分について勉強していて「界面活性剤おぼえたい!」と思っている人のために、この記事を書きます。
そもそも界面活性剤ってどんな働きがあるもの?
気が合わなくて相性が良くないことを「あの二人の性格は水と油だ」なんて言ったりしますよね。水と油はそれぞれ異なる性質を持っていて、基本的に混ざり合うことがありません。
でも化粧品というのは、水(水溶性成分)と油(油性成分)を混ぜ合わせる必要があるのです。
というのも、人の肌の表面は、汗などの水分とそれに溶け込むNMF(天然保湿因子)などの水溶性成分、そしてセラミドなどの細胞間脂質すなわち油分で構成されています。
肌となじみやすくするために、化粧品、特にスキンケア化粧品は、肌の水分と油分のバランス(モイスチャーバランス)に似た構成で作らなければならないのです。
そこで必要になるのが、水と油を混ぜ合わせる働きがある「界面活性剤」です。
界面活性剤は、ひとつの分子の中に水となじみやすい「親水基」と、油となじみやすい「疎水基」を持つ物質です。水と油を一緒の容器に入れても混ざり合うことがありませんが、界面活性剤を加えると、親水基が水に、疎水基が油になじむことでふたつが混ざり合うのです。
界面活性剤によって水と油が分離せず、混ざり合った状態を保つことを「乳化」と言い、水と油が乳化した状態のものは「エマルション(エマルジョン)」と呼ばれています。
界面活性剤の覚え方|4種類に分類される!
さて化粧品に欠かせない界面活性剤は、水に溶けたときに親水基がイオン化するかどうかによって「イオン性界面活性剤」と「非イオン性界面活性剤」に分けられます。
さらにイオン性界面活性剤は、陽イオン、陰イオン、両性の3種類があります。
つまり界面活性剤は、大きく4種類に分類することができるというわけです。
- 陰イオン(アニオン)界面活性剤
- 陽イオン(カチオン)界面活性剤
- 両性(アンホ)界面活性剤
- 非イオン(ノニオン)界面活性剤
陰イオン(アニオン)界面活性剤
陰イオン(アニオン)界面活性剤は、乳化や洗浄、分散に使われます。
泡立ちが良く洗浄力が高いため、化粧品ではシャンプーや石けん、洗顔料などに配合されます。
- 「~石ケン」が含まれる
- 「~酸Na(K、TEA)」※ただし「~酸」は油性成分に限る
- 「~タウリンNa(K、Mg)」
陽イオン(カチオン)界面活性剤
陽イオン(カチオン)界面活性剤は、帯電防止や柔軟、殺菌に使われます。
マイナスに帯電しやすい毛髪や細菌を包み込んで、帯電を防いだり殺菌したりする働きがあります。化粧品では主にリンスやコンディショナー、制汗剤などに配合されます。
- 「~クロリド」
- 「~プロミド」
- 「~アンモニウム」
両性(アンホ)界面活性剤
両性(アンホ)界面活性剤は、pHによって陰イオンにも陽イオンにも変化する親水基を持ちます。陰イオンのときはアニオンと似た働き(洗浄)、陽イオンのときはカチオンと似た働き(殺菌)をしますが、その働き方は弱めです。乳化状態を安定させるために配合されることもあります。
化粧品ではベビー用シャンプーや高級シャンプーなどに配合されます。
- 「~ベタイン」
- 「アンホ」を含む
- 「~オキシド」
非イオン(ノニオン)界面活性剤
非イオン(ノニオン)界面活性剤は、水に溶けてもイオンになりません。どのタイプの界面活性剤とも組み合わせて配合できるので、乳化、可溶化、増粘などの目的でさまざまな化粧品に配合されています。
- 「~グリセリル」
- 「PEG-数」を含む
- 「~ソルビタン」
界面活性剤の覚え方|乳化のO/W型とW/O型
多くの化粧品は界面活性剤によって水と油を混ぜ合わせた構成になっていますが、水の中に油が分散している状態のもの(O/W型)と、油の中に水が分散している状態のもの(W/O型)があります。
これがまた、考えてみればわかるんだけどちょっと混乱するというか、わたしにとってサラッと出てこないポイントの一つなんですよ……。
O/W型(Oil in Water型/水中油型)
水中に油が分散した状態のエマルションのこと。
外側に水があるので、サラッとしていて水で洗い流しやすい性質です。
化粧品では、乳液やクリーム、ジェルなどにO/W型のものが多いです。
W/O型(Water in Oil型/油注水型)
油の中に水が分散した状態のエマルションのこと。
外側に油があるので、ややベタっとしていて水で洗い流しにくい性質です。
化粧品ではウォータープルーフタイプのファンデーションや日焼け止め、それらを洗い流すためのクレンジング剤などにW/O型のものが多く見られます。
O/W型とW/O型の覚え方は「後ろ側が本体」
O/W型とW/O型は、どんなものなのかと性質は割と理解しやすいんですけど、どっちがどっちだったか、考えないとわからなくなっちゃうんですよね(わたしの場合)。
これ見てるといつもわたしは、ドラクエのブルーイーターとレッドイーターを思い出すんですよ。

全体的にピンクっぽいのがブルーイーター、青っぽいのがレッドイーターね。いや、頭の色を見ろっていうのはわかるんだけど、やっぱ全体的な印象ってあるじゃん? どう見ても、体がピンクのほうがレッドイーターっぽいじゃん。
W/OとO/Wも、先にある文字の方が主体っぽく見えるじゃないですか。でも実際は、後ろにある文字の方がベース。後ろの文字を見ると、O/W型は「W(水)」、W/O型は「O(油)」だということがわかります。そこのところを間違えないようにしっかりと覚えていきたいですね!
ついでにグリンバングルとイエロバングルも覚えて帰ってください。

見分け方はイーターと同じです! 頭が黄色いほうがイエロバングル、頭が緑のほうがグリンバングルです。
まとめ:界面活性剤と仲良くなりたい!
イーターとか出してきたらなんだか意味がわからない記事になりましたが、最初に書いたとおり、今回は「自分のために書く記事」なのでこれでいいんです。「美肌クエスト」らしくなったんじゃないかな!(そうだろうか……?)
界面活性剤の覚え方は、日本化粧品検定協会がYouTubeにアップしてる「ここちゃんと躍る界面活性剤の歌」がめちゃめちゃおすすめです。最初観たときめっちゃ笑ったけど、これ何度か観てるだけで基本的なことは頭に入ります。ここちゃんめちゃかわいい!
そんなわけで、界面活性剤についてしっかりおぼえて、化粧品の成分チェックに役立てていけるようにがんばります!
