みなさんは、日々の生活の中でストレスを感じることは多いですか?
わたしは、好きなことを仕事にしているし、職場の人間関係とかも割と良いし、ストレスの少ない生活を送っている方だと思います。
ただ最近、オフィスが長年なじんだ土地から違う街へと移転しまして。環境が大きく変化すると、やっぱりいろいろと慣れないことや不便なことも出てくるわけで、それが最近ちょっぴりストレスになってるよなーと感じています。
ストレスを溜めこむと、心身にさまざまな悪影響が生じるというのは、みなさんご存知だと思います。
もちろん、肌にとってもストレスは大敵です。
今回は、ストレスが肌に与える悪影響について考えていきましょう。
ストレスって何だろう?
ストレスという言葉は、悩みや不満、イライラ、モヤモヤなどといった「ネガティブな感情の原因となるもの」というような意味合いで使われていることが多いですね。
でも実際は、ストレスというのは、ありとあらゆる外部からの刺激と、それによって生じる緊張のことを言います。
精神的な刺激以外にも、音やニオイなど環境から受ける刺激、痛みやかゆみなど身体的な刺激、人間関係など社会的な刺激もストレスの要因となります。
また、ポジティブな感情も、刺激が強すぎればストレスになります。たとえば、子どもの頃の「遠足の前の晩にワクワクしすぎて眠れない」などという状況も、ストレスなんです。
とはいえ、ポジティブな感情刺激によるストレスに悩まされるなんて事態はそれほど多くはないですし、仮にあったとしても心配する必要もないでしょう。
だからこそ、怒りやイライラ、不安、落ち込みなどといったネガティブな精神状態を引き起こす原因の代名詞のように「ストレス」という言葉が使われるのです。
ストレスは肌に現れる
「心とからだはつながっている」とよく言われますよね。
肌、すなわち皮膚にも、精神状態によってさまざまな変化が現れます。
たとえば、怖い話を聞いたときや、すばらしい芸術作品に触れたときなどに、ゾクッとして鳥肌が立ったことのある人は多いでしょう。
緊張やスリルを味わったときに、てのひらに嫌な汗をかくこともあります。
人前で恥ずかしい想いをしたときや、激しい怒りを訴えるときに、顔が真っ赤になるということもありますね。
これらはみんな、肌に精神状態の影響が表れる例です。
皮膚はからだの表面にある器官なので、影響が目に見えやすいんです。
瞬間的な反応だけでなく、ストレスとなる刺激を感じ続けることで、肌にはさまざまな悪影響が現れます。
たとえば、大人ニキビの原因は、ストレスが多いと言われます。わたしは尋常性乾癬という病気ですが、乾癬もストレスで悪化しやすいから気を付けるようにと昔から言われてきました。アトピー性皮膚炎も、ストレスにより悪化しやすいと言われていますね。
特に慢性の皮膚病などのない人でも、ストレスを感じると肌荒れやニキビなどの肌トラブルが起こることは多いと思います。
ストレスが肌に与える4つの悪影響
ストレスが肌に与える悪影響としては、主に4つの要因が考えられます。
- ストレスホルモンによるバリア機能の低下
- ホルモンバランスの乱れによる肌状態の変化
- 睡眠の質の低下による成長ホルモン分泌の減少
- 腸内環境の乱れによる肌トラブル
ストレスホルモンによるバリア機能の低下
ストレスを感じると、体内ではストレスに対抗するためにコルチゾールなどのストレスホルモンが大量に分泌されます。
コルチゾールは免疫機能の働きを弱めることで、炎症を抑える作用があるホルモンです。皮膚も免疫器官なので、コルチゾールの影響でバリア機能が低下します。
角質細胞には、天然保湿因子(NMF)の元になる「フィラグリン」というたんぱく質があるのですが、ポーラのプレスリリースによると、コルチゾールの影響でフィラグリンが減少することがわかったそうです。
ストレスを感じると、肌のうるおい成分が減って乾燥しやすく、バリア機能が低下してしまうのです。
バリア機能の低下は、肌をさらに乾燥しやすくさせ、外部刺激に敏感な状態にしてしまいます。
ホルモンバランスの乱れによる肌状態の変化
ストレスを感じると、女性の場合は男性ホルモンの分泌が増えて、ホルモンバランスが崩れやすくなります。
男性ホルモンが多くなると皮脂の分泌量が増えて、肌のモイスチャーバランスにも変化が生じます。
また、体毛が濃くなるなど、肌が男性の肌の特徴に近い状態になってしまうんです。
睡眠の質の低下による成長ホルモン分泌の減少
ストレスを感じると交感神経が優位な状態が続き、なかなか寝付けなかったり眠りが浅かったりなど、睡眠の質が低下します。
「睡眠不足は肌の大敵! 化粧ノリの良いなめらか美肌を保つ眠り方」という記事に書きましたが、肌の新陳代謝を促す成長ホルモンは、眠り始めて最初に訪れるノンレム睡眠のときに最も多く分泌されることがわかっています。
なかなか寝付けなかったり熟睡できなかったりすると、成長ホルモンが十分に分泌されず、ターンオーバーの乱れなどの原因になるのです。
腸内環境の乱れによる肌トラブル
腸は副交感神経が優位になっているときに活発に働きます。ストレスで交感神経優位の状態が続くと腸の働きが鈍って、便秘になるなど腸内環境が悪化しやすくなるんです。
「腸活で美肌を目指す! 腸内環境の悪化で肌荒れする原因とは?」という記事に詳しく書きましたが、腸内環境が悪くなると、肌のくすみや乾燥などといったトラブルが起こりやすくなってしまいます。
肌のためにもストレスを溜めない生活を!
さっきも書きましたが、ストレスというのは、外的刺激によって緊張を生じることを全般的に指します。
つまり、ストレスがまったくない生活というのはありえないんです。
ストレスによる悪影響を少なくするためには、自分がストレスを感じているということを理解したうえで、ストレスを受け流していくことが大事なんです。
ストレスを感じているときは交感神経が優位になりやすいので、意識的にリラックスする時間を作るなどで、自律神経のバランスを整えていきたいですね。
ストレスを上手に受け流して、肌への悪影響をできるだけ避けるようにしていきましょうね。
